2017年7月号

日本キリスト教団成宗教会

牧師・校長  並木せつ子

このお便りは、なりむね教会からのメッセージです。キリスト教会は神様の愛について学び、伝えます。子供さんも大人の方も、読んでいただければ幸いです。

山口智代子先生のお話

(これは4月30日にお話しいただいたものです。)

聖書:サムエル(上)1章10-28

「ハンナの祈り」

山口智代子

 私達は、祈りとは何かということについて、神様の御言葉を聴いてきました。今日のカテキズムの問いも祈りについてです。「私達が祈る時、神様が私達に求めておられることは何ですか。」答えは、「私達が神様に感謝し、神様だけが私達に最も良いものを与えて下さることを信じて熱心に求め、祈ることです」ということです。

今日の聖書のお話は、サムエルのお母さんのハンナがお祈りをしているところから始まります。サムエルが幼く、神殿で仕えていた頃、ある晩、主から呼びかけられました。「サムエル、サムエル」何度かそのことが続いた時、祭司のエリは、きっと主がこの子を呼んでいるに違いないと思い、次に呼びかけられたら、「主よ、お話し下さい。僕はきいております」と言いなさいと教えました。その後、サムエルは偉大な預言者として成長していきます。今日のお話は、サムエルが生まれる前のお話です。

ハンナには、エルカナという夫がいましたが、二人には子供がいませんでした。エルカナには、もう一人ぺニナという奧さんがいて、その奧さんとの間には、子供がいたのです。この当時は、一人の男の人が、何人かの女の人と結婚してもよかったのです。この時代、女の人が子供を産めないということは、神様から祝福を受けていないのと同じくらいのことだと考えられていました。女の人にとって、自分には価値がないと思うほどのすごく辛いことでした。ハンナにとって、子供を産めないということは、女の人として、一人の人間としての苦しみでした。ぺニナには子供がいるのに何故自分にはいないのだろうと、ハンナは思い悩みました。ぺニナのことを妬んだり、憎らしく思ったりもしたでしょう。しかし、神様へと向かう祈りに導かれました。

ハンナが主の御前であまりにも長く熱心に祈っていたので、エリはハンナがお酒に酔っているのだと勘違いしてしまうほどでした。ハンナの祈りは、自分の苦しみを神様に訴えかける祈りでした。神様は、その苦しみや嘆きを何でも知っておられます。けれどもその苦しみや嘆きを訴えることを神様は求めておられます。神様が、苦しみや嘆きを知っていて下さることを信じて、神様を信頼して、最も良い道を与えて下さると信じて、ハンナはお祈りしました。 ハンナは、苦しみを言っただけでなく、もし子供が授けられたら、その子の全てを神様に捧げますと言いました。

祈りは聴かれ、男の子を授かりました。そしてその子をサムエルと名づけました。サムエルとは、「その名は神」という意味です。神様にお約束した通りに、ハンナは、サムエルを神様に捧げ、サムエルは、祭司エリのもとで育ちましました。

神様は苦しみや悲しみを通して、私達に真剣に祈る事を教えられています。祈りは、神様と真剣に向き合う時です。神様も皆さんと真剣に向き合って下さいます。その神様の御心にお答えするのがお祈りです。神様の前に自分の心を開いて、包み隠さず何でも打ち明けて、何でも願い求めるのです。

神様は、ハンナが絶望と嘆き苦しみの中で、主を見上げて祈るということができるように苦しみをお与えになったのです。どんな苦しみも悲しみも全てを喜びと感謝へと変えて下さる方がおられるのは、幸せなことです。祈ることが、何よりも神様から与えられた祝福です。

どんなに苦しいことや辛いこと、悲しいことがあっても、お祈りすることができることを感謝したいと思います。

7月の教会学校礼拝(毎週日曜日、朝9時15分~9時45分)

◎ 神様に感謝して祈り、歌います。イエスさまのお話、聖書について学びます。

◎ お話の聖書箇所と担当の先生は次のとおりです。

7月2日(日) ルカ4:1-12      お話の担当… 並木せつ子

9日(日) コリント(一)10:23-31       並木邦夫

16日(日) コリント(二):19-20       焦  凝

23日(日) マルコ1:1-8          並木せつ子

30日(日) ルカ2:41-52          興津晴枝

教会・教会学校の行事

  • 6月4日(日)ペンテコステ(聖霊降臨日)・・・最初の教会がどのようにして生まれたかを学びました。
  • 6月11日(日)花の日(子どもの日・・・成宗教会学校では成田東三丁目の交番に日頃の感謝のしるしにお花を届けました。二人のお巡りさんが生徒の皆さんを歓迎してくださいました。
  • 8月27日(日)夏休み一日教会学校・・・午後3時~8時を予定しています。小学生が対象ですが、ヘルパーとして中学生の参加も歓迎します。詳しい案内は7月中に致します。

教会学校で学ぶこと

  • 真の神は、イエス・キリストの御生涯に表されました。イエス様を通して、私たちは、神の真実について学ぶことができます

教会学校は、幼児(初めは保護者とご一緒に)から高校生、大人の方も参加できます。また、中学生以上の方には、10時半~11時半の一般の礼拝もお勧めしています。親子連れの方も、どうぞいらしてください。

7月の御言葉

「だから、あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を表すためにしなさい。」コリントの信徒への手紙一 10章31節